エンジェルライフ ~園長日記~
エンジェルライフ
2010年5月

ただひたすらに

1日の終わりの楽しみは、「パパゼリー」(いちご風味の甘いビタミンゼリーです)。これを楽しみにしている子どもたちは、小さな手に大切に取って、口の中でゆっくり味わっていただきます。大好きな小さなゼリーを本当に大切にする思いから、いつの頃からか、折り紙で作った「パパゼリーコップ」というものが流行っています。三角に折って、両端を折って、上を折り返す…という簡単なものですが、みんな色とりどりの折り紙で作っては何個も重ねたりして大切にためています。
この間ある男の子が、初めてパパゼリーコップの折り方を女の子から教わって、自分で2つ作ってみて大事そうに持っていました。「どうするの?」と聞くと「ひとつは、いとこの○○君にあげるの。お手紙つけて」と、まじめな顔で答えてくれました。大切な人に大事な宝物をあげる時のように。小さな心に大きな喜びがつまっているのが見えました。

園長からのメッセージ

5月は、カトリックで「聖母月」と言って、マリア様を記念する月です。 「マリア様」の名をいただいている聖母幼稚園では、5月はマリア様の心に近づきましょう、と呼びかけられます。マリア様の心とは、青空のように広く、樫の木のように強く、うぐいすのように歌い、サファイアのように輝く、と歌われます。これは、人生の中でたとえ迷うことや辛いことがあっても、物事の本当の意味がわかるのをじっと待つ強さと、そこから得るものを素直に受け取る広さ、そして、何事にも喜びを見出し輝いている心の状態を表しています。
子どもたちは、大切なものを大切だと素直に感じ、喜んで自分の大事なものを差し出すまっすぐな心を持っています。その心は、ただひたすらに何かに没頭する時、思いを馳せる時、人と向き合う時、自分の置かれた状況を受け入れる時、強くなり、広くなり、喜びに満たされていくのだと、日々の小さな出来事を通して感じます。大人が心掛けることは、そんな子どもの心を、ただひたすらに信じ続けることでしょう。

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