先日あるテレビ番組で、おいしい麦茶の作り方を紹介していました。パックを水につける「平成の麦茶」と、麦を炒って煮出す「昭和の麦茶」。子どもの頃、夏休みに外遊びから帰ってきて飲む麦茶が、とてもおいしかったのを覚えています。今の子どもたちも、水筒から麦茶や緑茶・水をゴクゴク飲んで「あぁ、おいしい!」と言う表情がとても爽やかです。見ているこちらも、とても爽やかな気分になります。
又、こんなお母さんがいます。仕事をしているので、夕食のメニューは手早く作れて味はシンプル。そして一口食べてみて「うん、おいしい!」と必ず言います。それにつられて家族も「どれどれ?」と食べてみて「うん、おいしい!」と笑顔になる。お母さんの「おいしい」は魔法のことばです。
園長からのメッセージ
子どもにとって、食べ物の第一印象は強烈に記憶に残ります。 味覚は徐々に発達するので、苦味や渋味など大きくなってからの方が受け入れやすいものもあります。だとしても、食材との出会いは気持ちの良いものであった方がいいのです。
それはまず、身近な人が「おいしい」と言って食べる姿をみせてあげること。どういう味付けでどうおいしいのかを説明するより、ただ心から「おいしい」と言って食べるのです。周りのひとが「まずい」とか「きらい」と言っているものを「食べたい」と思う子どもはふつうはいないでしょう。周りの大人がおいしそうに食べていれば、食べてみたくなるでしょうし、口にしてみた時、初めての味や食感も「これが、『おいしい』ってことなんだ」と子どもなりに味わって覚えていきます。
にんじん、ピーマン、納豆、しいたけ、なす、レバー、かつお、あじ、さばetc. 何にでも味わいがあります。「魚や野菜は体にいいからがんばって食べよう」と理解させることも勿論大切ですが、もっと自然にその食材とのおいしい出会いができたら、更に楽しい食卓になるでしょう。そのためにはまず、大人のおいしい顔がお手本です。
食欲の秋、五感のひとつ「味覚」を引き出してあげましょう。