園長の下村紀美子です。
5月の最後の土曜日にすぐ近くの葵小学校からご案内を頂き、運動会に行ってきました。久しぶりに小学校を訪れたこともあり、幼さが残っている一年生から大人っぽい六年生までの大集団に最初は圧倒されました。
ひときわ色鮮やかなオレンジ帽子の一年生は、幼稚園の運動会では自分の出番以外の時は土いじり等をしていた子も居るのでしょうが、どの子も片手のこぶしを上に突き上げて、ジャンプをして応援をしたり、上級生の合図に従って揃ってウェーブをしたり、一生懸命な応援に思わず「えらい」と声が出ました。又、上級生は会の進行を分担しているのでしょう、ゴールした着順に素早く整列させたり、スターターの先生に火薬をつめたピストルを絶妙のタイミングで手渡すなど、その手際の良さに驚き、感心しました。
テントの中で、見物させて頂いている私達に、五年生の男児が「お茶を召し上がってください」と礼儀正しく、お茶をすすめてくれました。長い間幼稚園に勤務していたので、いくつかの小学校の運動会に伺いましたが男児にお茶のもてなしをしてもらった事はなかったので、新鮮な気持ちになり、年のせいもあって温かな嬉しい思いが込み上げてきて胸がいっぱいになり、涙がこぼれそうになりました。子ども達に行事を通して育てようとしておられる先生方の思いに触れたような気もしました。
そして、幼稚園の先には心身を育てる力強く豊かな経験を積む日々が続いている事を感じました。その日までの幼稚園時代の大切な日々が生命を輝かせて過ごしていけるような教育内容を実践しなければと、心から思いました。
五月の風に吹かれ、美しい若葉の木々に囲まれた校庭で躍動感に満ちた大勢の子ども達を眺めながら、喜びいっぱいの幸福な日となりました。