エンジェルライフ ~園長日記~
エンジェルライフ
2009年10月

笑顔と涙~その理由

「ボク、シュンソク!」と言ってピカピカの運動靴を見せてくれる年長の男の子。この時期になると「シュンソク」という名の運動靴を買ってもらう子が増えます。軽量で速く走れるというこの靴で、彼らは運動会のリレーに気合いを入れているのです。毎朝登園すると、誰ともなく園庭に集まり走りこむ姿。また、綱引きの練習も1回1回全力で戦います。
初めての運動会を迎える年少さんも、やる気満々。お母さんたちが布を一枚一枚貼って作ってくださった大玉は、思うように転がってくれません。それをニコニコ調子よく転がす子と、ゆっくりマイペースで楽しむ子と表情は様々・・・

また先日、年中さんは親子遠足で「やまめのつかみどり」を体験しました。「ギュッとではなくて、そっとつかまえるんだよ。」とおじさんから教えてもらい、川に放された活きのいいやまめを目を凝らして探し、無心にたわむれる子どもたち。

園長からのメッセージ

秋、幼稚園でも様々な活動が展開されていきます。その中でいつも子どもたちは「無心に」「全力で」取り組んでいます。
走ることも、演技することも、絵を描くことも、力いっぱいすることで、それをやり遂げた時の達成感が子どもの中に根付きます。子どもたちの生きる力をつけていくのは、この「達成感」です。のびのびと演技している笑顔や真剣な顔、リレーで負けて涙する顔もあります。
心の底から楽しむから笑顔がこぼれ、思いを込めて力を注ぐから、その結果に涙がこぼれるのです。勝てば「うれし涙」、負ければ「くやし涙」。結果として「順位」がごほうびとしてついてくることもありますが、一位が勝っていて二位が劣っているのではありません。勝った組がすばらしくて負けた組がダメなのではありません。大切なのは、「どれだけ夢中になれたか。どれだけ思いを込めて、力を注いで取り組んだか」です。それが幼児期に必要な体験です。そして、目の前の子どもたちはすでに、毎日をそう生きているのです!
だから「勝って良かったね」ではなく、「がんばって良かったね」なのです。つい親までも気合いが入ってしまう行事の前には、是非ひと呼吸おいて「がんばれ!」ではなく、「がんばってるね!」とさりげなく声をかけてあげましょう。「今の自分」を認めてもらった子どもたちは、更に伸びていくでしょう。

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