預かり保育の時間が終わりに近づくと、「そろそろママがお迎えに来るかな・・・」と手持ち無沙汰な子どもたちが、ティッシュを丸めて何かに見立てて遊んでいました。その時、先生が床掃除をし始めると、子どもたちは持っていたティッシュをしめらせてギュッと絞り、床をごしごしと磨き始め、「見て見て!きれいになった!」と得意そうに見せてくれました。やり始めると、もう無我夢中。「ああ、きれいになった。ありがとう。」とさりげなく終わりの合図をしても、「まだここにゴミが落ちてるよ。」と小さな砂つぶひとつでも見つけてくれるので、先生はうれしさ半分、戸惑い半分です。
園長からのメッセージ
我が子を見て、「ああ、私に似てきたな・・・」と思ったことはありませんか?大人が思っている以上に子どもは大人の言動をよく観察しています。特に一緒にいる時間の多い母親や、幼稚園の先生のまねをよくするでしょう。毎日の掃除、洗濯、お料理、お化粧、口癖など、ありのままに見せてくれるので、お家でこうやっているのね、とほほえましく感じます。一方、お家で幼稚園ごっこをして、「はい、一列に並びましょう」と先生になりきっていませんか。
「学ぶ」ことは「まねる」ことから始まります。子どもたちは、まねをしてやってみて日常の生活のすべてを学んでいくのです。生まれて初めて出会う両親から、子どもは影響を受けて育ちますから、親である私たちは、自分のしぐさに注意を払い、適切なことばを使い、子どもが気持ちよくイメージできる姿を見せていたいですね。そして幼稚園でも職員が子どもと接する時の態度や声かけに注意を払い、子どもたちにとって良い「学びの場」となるように支えていきたいと思います。