☆聖母幼稚園の昼食の風景
お弁当編・・・「みてみて、ハンバーグ!」「これはね、ゆかりのおにぎり」「ボクはシャケ!」「たまご焼きおいしかった!」etc. だまっていても、お帰りの時子どもの口元に、オレンジ色のソースのあとがうっすら残っていると、「あぁ、大好きなスパゲティーを一生懸命食べたのね」とわかります。ちなみに、お父さんのお弁当もおそろいです。
パン給食編・・・「ボク、このパン食べたことないんだ…」「せんせい、レタス抜いて…」最初は、パンくずがポロポロ床にたくさんこぼれてしまったり、食べ慣れないメニューをたくさん残してしまう子もいましたが、最近、こんな変化が見られます。「はんぶん食べてみる!」と、まず自分が食べ切れる分量だけをお皿に取り、ていねいに食べられるようになりました。「ピーマンたべられた!」…ちょっと苦手なピーマンも、みんなと食べたら食べられた、という自信もつきました。「せんせい!ジャムパンのジャムが赤くないよ!」…いちごをじっくり煮ると、少し茶色っぽくなることも知りました。「あっ!いちごのにおいがする!」口に入れた時の甘酸っぱい香りを感じました。
園長からのメッセージ
聖母幼稚園の昼食は、月~木曜日がお弁当(水曜日はおにぎり)です。毎日のお弁当と聞くと、初めてのお母様にとっては、自分が体調を崩したらどうしようか、毎日作れるだろうかなど、不安を感じるのは確かでしょう。でもお弁当の良さは、子どもたちがお家の方の愛情を間近に感じるということです。そしてお母様にとっても、小さなお弁当をコツコツと作り続けるひと手間が、親としての喜び、楽しみとなるのです。こうして、親子の絆を感じるためのひとつの助けとなっています。大人になってからも記憶に残る「お母さんの味」…お弁当に入っていた卵焼き、人参、スパゲティー、ウィンナー、・・・それは、難しいレシピや珍しい調味料で彩られるのではなく、お母さんの愛情がつまっている、見えないけれど大切な絆です。
お弁当が「母の味」との出会いだとすれば、給食は「新しい味」との出会いと言えるでしょう。平成21年4月から、毎週金曜日にパン給食が始まりました。近隣のパン屋さんが、食材・製法ともに安全に配慮して、できたてのパンを届けてくださいます。玉子パン、サラダパン、ウィンナーロール、コロッケパン、ピザ、ジャムパン、プチパンetc.・・・一学期の間、いろいろな味と出会いました。みんなで同じものを楽しくいただくことができました。どの子にも、自分でお皿に取った分を食べ切った、という満足感が生まれました。この給食を通して、いただいた物への感謝、作ってくださった人への感謝の気持ちが、実感として育ってきていると感じます。
お弁当・パン給食、どちらも「食」に対するありがたさ、大切さを感じることができます。たくさんの「食」との出会いを重ねて、子どもたちは心豊かに育つでしょう。